病院でCT検査を受けた皆様へ!
自分の体の内部構造は自分でじっくり観察しましょう

ANATOMIA(アナトミア)は医療の専門家ではなく、CTやMRIを受診された一般の方々向けの医用画像立体表示サービスです。

CTやMRIのデータを活用しましょう!

我が国は手厚い健康保険制度の恩恵によってCTとMRIの普及率は世界一であり、平均すると全国民の3人に1人が年に一度受診するほどになっています。しかし、CTやMRIの画像はもっぱら医師が使うものであり、素人が見ても意味のないものでした。医師は多数の断面図から臓器の立体形状を推測し、病理を判定します。このやり方はCTが最初に実用されてから半世紀近い時間が経つにもかかわらず、現在も変わっていません。しかし、コンピュータが自動車を運転する時代にさしかかり、ようやくこの常識が変化しつつあります。

hounsfield
はじめて実用的なCT画像を撮影したHounsfield氏と、撮影画像
cf: http://www.bioclinica.com/blog/evolution-ct-scan-clinical-trials

CTやMRIは病気を診断する機械ではなく、立体構造の計測装置に過ぎません。多数の断面図から立体をイメージするには高い技能が求められますが、コンピュータが立体形状を作れば、その形はだれでも直感的に把握できます。医用画像処理は従来医療従事者向けの高価なワークステーションで行われ、操作も難解なものでした。ANATOMIAはこの常識をくつがえし、医用画像の価値を直接受診者様に提供します。最先端の画像処理機能をインターネットサーバーに搭載し、CTやMRIのデータから誰もが直感的に把握できる臓器の立体形状を生成します。

 では、この画期的なサービスを使うにはどうするのか、ステップを追って見ていきましょう。

病院からデータを入手します

ANATOMIAはCTやMRIのデータを受診者様が自分で観察することを手助けするサービスです。しかし、撮影データは病院のもので、簡単には手に入らないと思っていませんか?
 実は撮影データは個人情報であり、受診者本人には開示請求権があります。自分の情報ですから、要求すれば簡単に手に入るのです。ただし、重要な点はその「入手目的」です。もし転院やセカンドオピニオンを求めることが目的であれば、病院は撮影データだけでなく、実施した診療のすべてを整理しなければなりません。担当医が診療記録全体を取りまとめますが、撮影データはその一部分に過ぎません。診療情報を外部に出すので、病院のマネジメントの審査が必要になるかもしれません。必然的に、長い時間と費用が掛かります。
 しかし、病院はあなたが「撮影データを自分で観察する」ために必要としている、ということを理解すれば、データをCDにコピーするだけです。時間も費用もほとんどかからないでしょう。
 早速あなたが診察を受けた病院に問い合わせ、データを入手しましょう。

get cd
病院から撮影データを入手します

ANATOMIAに登録します

CTやMRIのデータを入手したら、次のステップは簡単です。このページ上部の「ANATOMIA」キーをクリックすると、別画面にANATOMIAの「ログイン画面」が開きます。この画面で「ユーザー登録」キーを押し、表示された「ユーザー登録画面」でユーザーIDと電子メールアドレスを入力してください。パスワードが電子メールで通知されるので、ANATOMIAにログインしましょう。
 ANATOMIAは会員制の有料サービスですが、登録後30日間は無料で利用できます。

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パソコンやタブレットを使ってANATOMIAに接続しましょう

撮影画像をアップロードします

CTやMRIの撮影データは数百枚のスライス画像と呼ばれる画像群です。病院から受け取ったCDやDVDなどのメディアには通常スライス画像以外にも沢山の画像が入っています。複数回分の撮影データが入っているかもしれません。ANATOMIAには一回の撮影に相当するスライス画像群を一度にアップロードします。では、CDの中からどうやってスライス画像群を見つけだすのでしょうか?
 ANATOMIAではスライス画像群を探索するツールANATOMIA AA(ANATOMIA Analyzer and Anonymizer)が提供されています。ANATOMIA AAANATOMIAの「アップロード画面」から入手できるWindowsOS用の無料ツールです。このツールを起動し、CDのルートフォルダーにあるDICOMDIRという名称のファイルを選択してください。CD内のファイルが解析され、すべてのスライス画像群が表示されます。患者、検査、シリーズと三段階に階層表示された中からシリーズをクリックすると、そのシリーズの断面図が表示され、確認できます。適当と思われるシリーズを選んで「保存」ボタンをクリックすれば、アップロード専用のフォルダーを作って保存してくれます。
 このとき、撮影データに含まれている氏名、性別、生年月日などの個人情報を取り除く匿名化処理も行われるので、インターネットの脆弱性などに対する個人情報の保護にも役立ちます。

ANATOMIA_AA
ANATOMIA AAはCD内の画像構成を解析します
注:患者名はマスクしています

次に、「アップロード画面」からスライス画像群をANATOMIAにアップロードしてください。スライス画像群は容量が大きいため、お使いのインターネット環境にもよりますが、しばらく時間がかかります。アップロードが終わっても、データの固まりであるボリュームを作るのでもう少し時間がかかります。画面が変わって断面図が表示されるとボリューム構築の終了です。ボリュームにわかりやすい名前を付け、保存してください。以後、このボリュームはあなた専用の保管庫からただちに呼び出すことができます。


体内の構造をじっくり観察しましょう:平面モード

平面モードでは、直方体状の関心領域において、直交する3方向の任意の断面が観察できます。CTでは物質の成分ごとに決まった数値を取ることから、骨(カルシウム)、血液(水)、脂肪、空気など、成分を指定してその分布を観察できます。
 CTやMRIの撮影データは濃淡画像として表現できるよりもはるかに広い数値範囲(ダイナミックレンジ)をもちます。特定の成分に着目したコントラストの画像を表示するには、画面の右に表示されるヒストグラムを参照しながら、ウィンドウと呼ばれる、濃淡画像化する数値範囲を変更します。

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3方向の断面画像上で、指定した成分の分布が示されます
例:皮下脂肪と内臓脂肪の分布

体内の構造をじっくり観察しましょう:立体モード

立体モードでは、関心領域としきい値とにより生成した表面形状であるサーフェスモデルを観察します。サーフェスモデルはマウスを使って回転、拡大縮小、平行移動できるので、あらゆる方向から観察できます。作成したサーフェスモデルにはわかりやすい名前を付け、保管庫に保存してください。
 実際にANATOMIAで作ったいくつかのサーフェスモデルを、「技術解説」ページに「体内構造サンプル」としてあげました。立体化された臓器形状のわかりやすさをご体験ください。
 体内臓器はそれぞれ特長のある複雑な形状をしています。臓器の形状や病気との関連についてはインターネットで様々な情報が得られるでしょう。「技術解説」ページに「参考情報」として、いくつかのリンクや参考文献があげてあります。

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立体モデルを作れば形を観察できます
例:脊椎と大腿骨の接合部

ANATOMIAをお使いになると、CTやMRIがあなたの健康に役立つ素晴らしい装置であることが実感できるでしょう。ただし、現在のANATOMIAは骨や肺といった境界が明確な臓器は簡単に立体化できますが、胃や心臓など、軟組織の臓器の立体化は得意ではありません。
 ANATOMIAは前例のないサービスであるだけにまだ課題も残されていますが、ヴォクシスは研究開発型の企業です。インターネットサーバー上で処理を行うことにより、ANATOMIAは利用者様に常に最新の機能を提供する仕組みを構築しています。
  ヴォクシスは不断の機能向上により、利用者様の健康維持のために貢献してまいります。